第2563冊目 入社1年目の教科書 岩瀬 大輔 (著)


入社1年目の教科書

入社1年目の教科書

  • 上司にも心をこめてフィードバックせよ


あるプロジェクトが終わったあとに、上司が部下に対して、仕事ぶりや良かった点、改善点などをフィードバックをするのは当然のことです。


僕の最初の職場では、それが終わると、逆に部下が上司の通信簿をつけるということをやっていました。部下が上司を評価する「アップワード・フィードバック」に真摯に耳を傾けるマネージャーこそが優秀で、それができない者はマネージャー失格だ。外資系企業にはそういった風土があったのです。


これを日本カルチャーの企業でやろうとしても、ここまではなかなか難しい側面がありました。器の小さいマネージャーにかかると、聞く耳すら持ってもらえまえん。


お客さまのところに上司と同行して、上司とお客さまの会話を横に座って客観的に聞く機会がいずれあると思うのです。


「いきなりその話をしないほうがいいのに……」


「もっとこんなふうに説明したほうがわかりやすいのに……」


上司に対して、失礼ながらそんあふうに感じることもあると思います。とはいえ、なかなかそんなことを直接言う勇気は持てないかもしれません。


会社での年次が上がるにつれて、新人のころのように面と向かって指導してくれる人は少なくなってきます。上司にフィードバックを送るという行為は、上司にとって本来はとてもいいことだと思うのです。