第2466冊目 カリスマは誰でもなれる オリビア・フォックス・カバン (著), 矢羽野 薫 (翻訳)


カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

カリスマは誰でもなれる (ノンフィクション単行本)

  • プレゼンテーションの直前に


現代の著名なスピーカーのなかには、スポットライトの下に踏み出す直前にイメージトレーニングをする人もいる。むしろ、優れたスピーカーでイメージトレーニングをしていない人のほうが珍しいだろう。クライアントから、重要なスピーチの前にイメージトレーニングをするかどうか訊かれると、私はこう答えている。「本当に成功したければ、ぜひ!」


人前で話すことが仕事である私も、15年間の経験から、わずか30秒のイメージトレーニングでもパフォーマンスが大きく変わることを実感している。壇上でいかにカリスマを発揮するかを左右するのだ。実際、本番直前にイメージトレーニングをやらなかったときは必ず後悔する。暗唱できるほどやり慣れたスピーチでも、自分がカリスマ的な精神状態になっていることを確信するために、イメージトレーニングは役に立つ。


イメージトレーニングの効果を最大限にするために、私はスピーチの会場に早めに着くように心がけている。あらかじめステージの上を歩きまわり、その空間に慣れるのだ。本番と同じ場所に立ったら、自分の「テーマ曲」を聞きながらイメージトレーニングを行い、自信と勝利の喜びをその場の状況と結びつける。気分が高揚してエネルギーが湧いてくる音楽を聞きながら、今日のスピーチが素晴らしい出来になる場面を詳細に思い描き、自信たっぷりに歩く私を聴衆が歓迎する声を聞いて、心の中でサクセスストーリーを想像するのだ。


本番まであと数分になると、私は誰もいない部屋にこもり(俳優や政治家、講演者などには、そのための控室がたいてい用意されている)、イメージトレーニングのおさらいをして、自分のテーマ曲に合わせて踊る(私は本当に踊る)。