第2445冊目 できる人の仕事のしかた リチャード・テンプラー (著)


できる人の仕事のしかた

できる人の仕事のしかた

  • 質問力を身につける


人気者になる。昇進し、成功する。本当に仕事ができる人になる――。こうした目的を達成する最も簡単な方法は、質問をすることだ。


質問をすると、相手の話に本当に興味を持っていることを示すことができる。思慮深く、思いやりがあり、知的で、創造的な人間であることの証明にもなる。愚かな人間は質問をしない。退屈している人間も、怠け者も、質問をしない。


けんか腰の人間は、質問ではなく「断言」する。「そのアイデアは気に入らない。うまくいくはずがない」というような言い方をする。しかし、仕事ができる人は質問をする。言いたいことは同じかもしれないが、言い方をもっと工夫するのだ。


「そのアイデアについてはもっと情報が欲しいな。実際にそのアイデアを採用したらどうなるだろう? 臨時のスタッフを増やせば、注文の増加に対応できるかな? そちらに追加のスタッフを回す余裕はあるだろうか? みんなはどう思うだろうか。もう少し考えよう」


「もう少し考えよう」とは、つまり「このアイデアは却下」という内容を、質問を活用して、きわめて外交的に表現しているだけだ。はっきりと言っていないが、聞いた人はみんな察することができるし、思いやりのある人だという印象を与えることにもなる。


質問なら何でもいいというけではない。本当に興味を持ち、誠実な態度で、相手への思いやりを忘れずに、尋ねる価値のある質問をするべきだ。非難するような質問をして、得をするようなことはほとんどない。


ルール37でも述べたように、どんな嫌われ者でも、ほめられるところは必ずある。質問でも同じだ。どんな人のどんな仕事でも、必ず何か質問をしてみたくなる部分は存在する。


仕事でなくても、趣味や家族のことでもかまわない。「お子さんは元気ですか?」というありふれた質問でも、会話のきかっけになるし、あなたの印象をよくすることもできる。それだけで、職場が打ち解けた雰囲気になるだろう。質問を習慣にすれば、毎日顔を合わせて働く人たちの間に、和やかな空気を生み出すことができるのだ。