第2215冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫) ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)


FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

  • 効果的な手の動きは信頼性と説得力を高める


人間の脳は、ほんのわずかな手や指の動きも感じられるようにできている。事実、脳が人の手首、手のひら、指、手に注目する度合いは、体のほかの部部にくらべると不釣り合いなほど高くなっている。進化の点から見れば、これは合理的だ。人類が直立歩行の姿勢に適応し、脳がどんどん大きくなるにつれて、手は器用さを表現力を備えるようになったと同時に、より危険なものにもなったからだ。私たちは生き残りのために相手の手の動きをすばやく察知し、何を言っているのか、悪い兆候はないかを、見極める必要がある。こうして私たちの脳には、手に注目し過ぎるという生まれながらの偏りがあるので、人気のエンターテイナーやマジシャン、そして説得力のある講演者は、この現象をフルに活用して観客や聴衆をワクワクさせたり楽しませたりする。