第2213冊目 FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫) ジョー ナヴァロ (著), マーヴィン カーリンズ (著), 西田 美緒子 (翻訳)
- 作者: ジョーナヴァロ,マーヴィンカーリンズ,西田美緒子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 2012/12/05
- メディア: 文庫
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- 胴体を傾ける
胴体は体のほかの部分と同じように、人が危険に気付くと反応し、ストレスの原因や不愉快なものから遠ざかろうとする。たとえば何かを投げつけられたとき、辺縁系が胴体に信号を送り、すぐにその脅威から逃れるように伝える。通常は、投げられたものの性質とは関係なしにこうした動作が起こり、進もうとしている方向に動きを感じれば、それが野球ボールでも動いている車でも、とっさに避ける。
同じく、感じの悪い人や嫌いな人の隣に立つと、その人から離れるように胴体を傾けるだろう。胴体は体重の大部分を占め、その重さは下半身にも伝わっているので、体の傾きを変えるにはエネルギーとバランスがいる。そのため、胴体を何から離すように傾けるのは、脳が命じた結果だ。反応は正直だとみなせる。その姿勢を保つには、普段以上の努力とエネルギーが必要になる。前かがみでも、のけぞるのでもいいから、体の重心を意識的に中心からずらしたまま、しばらく我慢してみるといい。すぐに疲れてくるのがわかるだろう。ところが、脳が必要性を無意識のうちに判断したせいで重心のずれた姿勢をとっていると、ほとんど感じないし、気付きもしない。