第2113冊目 世界中のエリートの働き方を1冊にまとめてみた: グローバルエリートは見た!投資銀行、コンサル、資産運用会社、プライベート・エクイティ、MBAで学んだ15の仕事の極意、そしてプライベートの真実 ムーギー・キム (著)


  • どんな場合でも10分前に着く――遅刻ひとつが信頼・名声に与える致命的な打撃


ミーティングや待ち合わせに遅れるのは、ビジネスにおいても人の信頼度においても命取りになる問題だ。ビジネスパーソンにとって遅刻ほどわかりやすい欠点はないので、実力の如何にかかわらずアウトなのだ。


私がかつて働いたどの職場でも、ミーティングに遅刻する上司は本当にひとりもいなかった。ミーティングの数が多く、時差を伴う連日の海外出張でいくら疲労困憊していても、朝7時のブレックファースト・ミーティングには、全員が10分前には絶対に集合していたし、ホームパーティーに呼んでも、その人たちは必ず時間どおりに来たものだ。


この原稿を書いている最中、わが母、ミセス・パンプキンが次のようなメールを送ってきた。


「先の大統領の内幕本『ダブル・ダウン』によると、ロムニー候補の副大統領にはクリス・クリスティーが内定しかけていたが、『彼は肥満体形で会議に遅れてくるだらしなさがあった』からはずされたそう。要注意!」


肥満にしても遅刻にしても自己管理力の欠如と見なされる傾向が強く、このだらしない癖を直さないと、副肥満大統領候補の指名も逃すということである。


かくいう私もじつは苦い経験があり、MBA入試プロセスでの面接当日、タクシー運転手さんが場所が勘違いし、一世一代のミーティングに遅れるという憂き目にあったことがある。また、10年も前の話だが、アメリカのボスからかかってくる評定に関するカンファレンスコールに出られず、「時間にルーズだ」と大目玉をくらったこともある。


こうした経験もあり、時間に遅れるということはもはや恐怖症の域に達している。


先日もシンガポールのザ・フラトンホテルで朝8時半に業界の超大物とのミーティングが入っていたが、タクシーがつかまらないシナリオや寝坊したときのリスクが頭をよぎりここだけの話、その待ち合わせのホテルに、前日から泊まってしまった。


残念ながら、何事も前もって終了させると性格と、最後の最後、ギリギリまで動かない性格というのは、組織行動論の世界では「持って生まれた「強い性向」とされている。


ただし、訓練次第で誰でも10分といわず、20分前に着くようにしましょう。


また、できるだけ会社の近くに住むのもおすすめだ。通勤時間の削減から週末出勤の心理コストを下げることまで、結構な競争優位につながるからだ。