第1347冊目 会話のうまさで人生は決まる! 成功に導く12のテクニック [単行本(ソフトカバー)] 安田 正 (著)
- 作者: 安田正
- 出版社/メーカー: 日本実業出版社
- 発売日: 2010/12/16
- メディア: 単行本
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表情&発声チェック
さて、表情や声の出し方のトレーニングですが、自分の表情や声をチェックするには、なんと言ってもビデオに撮影し、チェックするのが一番です。
私が20代の頃のことです。当時はビデオカメラは一般化していませんでしたので、テープレコーダーに自分の話を録音し、
「ああ、ちょっと荒っぽい感じがする。もう少し声に丸みを持たせよう」
「え〜と……が多すぎるな」
などと自分自身を客観的に分析することを試みました。
これは、いわば第一段階。誰がどう見ても、話し方としては直さないといけない悪い面、たとえば「え〜と」と連発したり、下を向いて話しているかどうかなどのチェックとなります。
次が第二段階。これは自分自身が「この人の話し方はうまいな」「とても話が聞きやすいな」と思う人と比べてみて、一つひとつ、その違いを理解していくことです。そこで、私は周りの人に、
「落語家の三遊亭○○さんや古今亭××さんと、自分の話し方とでは何が違うんだろうか?」
と尋ねたりもしました。落語家はたった独りで多数の役割を演じ分けますし、体を動かして演技するわけでもなく、ただただ「声」だけで勝負するプロだけに、落語家に、学びたいと考えていたのです。
自分の話している姿や、声の調子などは、絶対に自分自身では見えません。めんどうでも、ビデオやテープレコーダーに録って聞く必要があるのですが、当初は我ながら、ほとほと嫌になりました。しかし、20代のこのトレーニングのおかげで、自分の話し方の悪いところ、聞きにくいところを客観的に見ることができ、人道修正することができたのです。
最近でもビデオテープに撮って後で見るようにしているため、会場での音響などにも配慮できるようになりました。たとえば、研修会場の大きさや設備(マイクの響き方など)、参加者の人数や特徴など、いろいろな条件を考えながら、自分声の大きさやテンポ、トーンなどを調整できるようになったのです。
研修の印象、出来栄えというのは、講師の話し方ひとつで決まってしまいがちです。ですから、私たちとしては「声がどのように聞こえるか」については、研究をおろそかにできません。
今はビデオカメラが普及していますから、ぜひ自分のありのままの姿を撮っていただき、分析してみてください。録音もICレコーダやiPhoneで簡単に録音できます。会場に入る前に発声練習をして声を聞き、「声が前に出ていない」など、チェックをしてください。
なお、かなり多くの人が「話の語尾が消えてしまう」傾向にあります。最後まで、明瞭に語尾を発音することで、あなたの印象がかなり違ってくるはずです。