第1000冊目  図解 たった3分で人を引きつける「話し方」 (知的生きかた文庫) [文庫]箱田 忠昭 (著)

図解 たった3分で人を引きつける「話し方」 (知的生きかた文庫)

図解 たった3分で人を引きつける「話し方」 (知的生きかた文庫)

最初から「悪意に満ちた質問」を想定しておく


プレゼンテーションのあとには必ず質問の時間をとるようにする。プレゼンテーションをうまく終わらせても、質疑応答で失敗しては元も子もない。最後まで気を抜かずに、乗り切らなくてはならない。

というのも、質問には賛成の立場からの発言よりも、批判的な質問や、反対の立場からの悪意に満ちた質問のほうが多いからだ。そんな質問に答えられず、立ち往生してしまうプレゼンターの姿もよく見かけるもの。否定的な質問に上手に答えられないと、そのプレゼンテーションは成功したと言えなくなってしまう。



「否定的な質問」には「前向きな答え」を返す


質問の受け方にもルールを設ける。プレゼンテーションが終わって質疑応答の時間になったら、「これより質問をお受けします。質問が在る方は必ず挙手をして(ここで自ら右手を挙げて例を示します)からご質問ください」と、ルールに則って質問するシステムを徹底させるのだ。

手をあげずに質問しようとする人がいたら、左手の手のひらをその人に向けて「少しお待ちください」いまこちらの方が手をあげていらっしゃいますので、こちらの方にお先に発言していただきます」と、発言を封じてしまう。

質問が発言しているときは、しっかりとアイコンタクトをして、質問の意味を読み取る。質問が終わったら「ただいまのご質問は、こういう意味ですね」と、自分の言葉に言い直して全体に伝えよう。自分の言葉で言い直すことの意味あh、たとえ否定的な質問でも言い直すことによって肯定的にとらえることができる、ということだ。

たとえば「費用がかかって実現はむずかしいのではないですか」という否定的な質問には「ただいまの質問は、費用の面でどの程度の負担がかかるのか、また実現の可能性があるのか、とおいうお訊ねだと思います」と肯定的に言い直し、前向きな答えをすればいいのだ。



答えるときは「全員に説明」する


答えるときのポイントで重要なことは、質問者に答えてはいけないということ。答える相手はあくまで全体である。アイコンタクトも質問者に向けてではなく、ジグザグ法で話すと全体を見通せる。

好意的な質問は質問者とアイコンタクトをとりたくなるが、そういうときこそ全体への目配りが必要である。

質問の意味がわからない場合は、「言っていることの意味がわかりません」などと言わずに「もう一度おっしゃっていただけますか」と聞き直す。相手を否定するような言動は慎もう。

どうしてもわからない質問には「調べて後日お答えします」という選択肢もある。調査を必要とする筆問には、そう答えるのがベターなのだ。