第873冊目  上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書) [新書]岡本 浩一 (著)

上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書)

上達の法則―効率のよい努力を科学する (PHP新書)


新社会人なら

この本を読んでいる人が、社会人となってまだ間もない人なら、しばらく考えて、職業に役に立つことでも、趣味的なことでも、どちらでもよいから、なにかひとつ上達の目標を決めていただきたいと思う。社会人としての生活を始めると、一日の時間があっという間もなくすぎていくことに気づくと思う。仕事は、最初のうち、新しいことに接触する興奮がつぎつぎとあり、それば毎日の張りとなる。けれども、それほど日時を経ぬうちに、目新しいこともひととおりわかるようになると、こんどは、そういうものに振り回されているだけで毎日がすぎてしまうことへの警戒感や焦燥感を感じ始めるようになる。

そういうときに、なにかひとつのことに、一日一時間くらい、あるいは週に一度か二度くらいの時間をあて、そこで自分の知識なり技能なりを積み上げていくことが、精神衛生上も非常によい。その一日一時間なり、週に一、二度なりが、心理的には自己確認の時間として機能してくれるからである。