第923冊目 カーネギー名言集 新装版 [単行本]

デール カーネギー (著), ドロシー カーネギー (著), 神島 康 (著), D・カーネギー (著)

カーネギー名言集 新装版

カーネギー名言集 新装版

毎朝自分自身に励ましの言葉をかけるなんて、馬鹿馬鹿しい子供じみたことであろうか? そうではない。これこそ健全な心理学の神髄ともいうべきものだ。「われわれの人生はわれわれの思考によってつくられる」この言葉は18世紀前にマウクス・アウレリウスが『自省録』に書いたときと同様、今日でも真理なのある。デール・カーネギー

わたしは、人の意見に真っ向から反対したり、自分の意見を断定的に述べないことにした。決定的な意見を意味するようなことば、たとえば、〝確かに〟とか〝疑いもなく〟などということばはいっさい使わず、その代わりに「自分としてはこう思うのだが……」とか「わたしにはそう思えるのだが……」ということにした。相手が明らかに間違っ主張をしても、すぐにそれに反対し、相手の誤りを指摘することをやめた。そして、「なるほどそいういう場合もあるだろうが、しかしこの場合は、少し事情が違うように思われるのだが……」とぐあいに切り出すことにした。こうして。今までのやり方を変えてみると、ずいぶんと利益があた。人との話し合いが、それまでよりもよほど楽しく進む。控え目に意見を述べると、相手はすぐ納得し、反対する者の少なくなった。わたし自身の誤りを認めるのが大して苦にならなくなり、また、相手の誤りも、たやすく認めさせることができるようになった。
この方法を用いはじめたことは、自分の性質を抑えるのにずいぶん苦労したものだが、しまいには、それがやすやすとできるようになり、習慣にさえもなってしまった。おそらくこの50年ほどの間、わたしが断定的ないい方をするのを聞いた人は、だれもいないだろう。新制度の設定や旧制度の改革を提案すると、みなすぐに賛成してくれたのも、また、市会議員になって市会を動かすことができたのも、主として、第2の天性となったこの方法のおかげだと思う。もともとわたしは口下手で、決して雄弁家とはいえない。ことばの選択に手間取り、選んだことばもあまり適切ではないことが多い。それでいて、大抵の場合自分の主張を通すことができたのである。ベンジャミン・フランクリン