第888冊目和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫) [文庫]

和田 裕美 (著)

和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫)

和田裕美の人に好かれる話し方 (だいわ文庫)

やる気もあるし、元気だけど……


声で損をしている人がいるなぁと私が最初に思ったのは、ブリタニカ時代に10人程度の部下をもつようになってからです。

高い声をもつ品川しんが入社してきました。聞いているだけで何かイライラしてしまう。やる気もあって元気なんだけど、それがうるさく感じてしまいます。

態度?
表情?
違う。声だ! 声が高くて聞き取りにくいから、何かイライラするんだ!

声が原因だと気づいた私は、品川さんに言いました。

「品川さん、あのね、もっと普通に話せないかなぁ……何ていうか、今の声もかわいいのだけど、もっと低いほうがいいと思うの」

「えっ、これが普通の高さなんです」
「あっあっそうだよね……。高いって言われるでしょう?」
「そうです。よく言われます。
「ねぇ、ちょっと『
絶対大丈夫です』って言ってみてくれる?」
「はい……。絶対大丈夫です!」(高い声)
「う〜、『信じています』って言ってみて」
「信じています!」(高い声)
「えっと語尾は上がらないように。「ます!」って音が高くなるとダメだと思う」
「う−ん。難しいですね」
「うーん。難しいけれど、ちょっと直さないと仕事に影響して損するよ」

実際に彼女の「大丈夫」とか「信じています」には、心が入っていないように聞こえるのです。