第3980冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

利用者の権利を守る人

 

利用者の権利を守るのはすべての職員が果たすべき重要な使命である。この使命を果たすためには、まず何が保障すべき権利であるのか、を明確に把握することが必要である。具体的には「利用者の権利」をすべての職員で確認することが必要となる。

 

続いて、権利侵害行為や虐待はそう誤解されかねない行為も含めて決して許されない、という点を職員全員で共有する。リーダー職員は、すべての職員に繰り返し、どのような権利を守るために働いているのか、そのためにはどのような態度、姿勢が求められるのか、伝え続けていかなければならない。虐待防止についても、内部研修を毎年欠かさず開催し、決して許されないという意識を根づかせていくことが必要である。

 

自分のキャリアに責任をもつ人

 

業務を行ううえで、不足しているスキルがある場合は、習得に向けて行動を起こす。こうした姿勢あるいは行動様式は、どの業界・業種で働いていよとも、身につけておくべき基本項目といえる。

 

ところが、福祉領域においては、この姿勢が十分に共有されているとはいえない。

「わからないことをそもままにしている」「より専門性を磨くための努力をしない」などといったことがまかり通る傾向にある。

 

福祉専門職という表現が使われるようになって久しいが、実際には、専門職と呼ぶレベルに達していない職員を目にするケースは決して少なくない。本当はわからないことがたくさんあるのに、「私は現場で学んできたから大丈夫」「勉強しても、そんなの現場では通用しない。今更学ぶ必要はない」などと学びを軽視する声を耳にすることもよくある。

 

こうした状況からチームを救うには、学ぶことの大切さをリーダー職員が伝え続けることが必要となる。最も有効な方法は学んだことを実践に活かすという手本を示していくことである。