第3978冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

問題意識をもって業務に取り組み改善やレベルアップに貢献できる人

 

問題意識をもって働くのは、すべての業界・業種で働く人に共通に求めれられる基本姿勢の一つだが、福祉の世界ではこの意識が浸透しているとはいえない。原因は、リーダーの立場にある人が、部下・後輩に対して、問題意識の意味を明確、明快に伝える取り組みを行っていないことに尽きる。

 

問題意識という表現は、職業人として働き始めれば誰もが耳にするお馴染みの言葉だ。「問題」そして「意識」という簡単な熟語から成り立っているので、多くの人が「意味がわかっている」と思い込んでしまう。

 

だが、問題意識という表現を、現実には理解していない人が圧倒的に多い。問題意識は何らかの意識をもつことだけを要求する表現ではなく、行動を起こして、何かをなりとげることを意図する表現である。日頃当たり前に行っている業務を、本当にこれでよいのか、徹底的に利用者の立場にたち、クエスチョンを投げかけるという意味がこめられているのだ。この意味を理解すれば、自分が何をしなければならないか、把握できる。

 

まず取り組まなければならないのは業務の点検だ。そうすれば、当然のごとく、よいろころも確認できるし、不十分・不適切なところも確認できる。よいところは今後もその状態の維持を図る。あるいは、さらなるレベルアップを図るための行動を起こす。不十分・不適切なところは、改善に向けて行動を起こす。

 

リーダーは、問題意識の意味を正しく伝え、職員が職場の問題解決やレベルアップに貢献できる人に育っていくようサポートしていくことが求められる。