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第3948冊目 介護リーダーの仕事と役割がわかる!
-あなたのリーダーシップスタイルを振り返る
一般にリーダーシップとは、「目標に向けて人を動かす力」と定義されています。
リーダーシップと聞くと、次々と指示・命令を出しながら、スタッフをぐいぐい引っ張っていくスタイルをイメージする人が多いことでしょう。これは「指示型リーダーシップ」と呼ばれます。しかし、人々の価値観が多様化した今の時代、一般的に指示・命令を押し通そうとしても、なかなかスタッフがついてこないのが現実です。
リーダーがスタッフに影響を与える行動は、「援助的行動」と「指示的行動」の2つに大別され、状況や相手に応じて、どちらの行動をどれくらい多くとるかを変えていくことが重要であると考えられます。これを「状況対応のリーダーシップ」と呼びます。
たとえば、経験不足の新人スタッフには、指示的行動の度合いが高い指示型リーダーシップで対応します。まず指示・命令によって業務の基本的ノウハウを身につけさせ、仕事への自信をもたせることが先決だからです。慣れてきたスタッフには、援助的行動を加えたコーチ型リーダーシップえ対応します。
スタッフが成長してきたら、援助型行動の度合いを高めます。経験豊富なスタッフを指示・命令だけで動かそうとすると、反発する気持ちが生まれ、やる気をなくすかもしれません。そこで、中堅スタッフやベテランスタッフには、援助型・委任型リーダーシップで対応するのです。ある程度仕事を任せると、意欲的に取り組んでくれることでしょう。
どのようにリーダーシップを発揮するかは、リーダー自身の性格や考え方、言動だけで決まるものではありません。
リーダーシップを規定する要因には、「リーダーの個人的資質」「フォロワー(スタッフ)の個人的資質」「状況の特性」の3つがあります。リーダーはフォロワーの成長の度合いや状況に影響を受けざるを得ません。スタッフや状況に応じて適切な行動をとることが重要です。
やる気を高めるリーダーになる
リーダーはスタッフのやる気を高めなければいけません。やる気を高めるリーダーはスタッフに信頼されているということです。スタッフは、リーダーが信頼できる人間かどうか常に見ています。信頼を獲得し、スタッフのやる気を高めるには、普段からの言動や姿勢が問われてます。
やる気を高めるリーダー
メンバーがほめられると一緒に喜び、がんばりとして評価する
あいさつや身だしなみ、整理セリおtンなど基本的なことを率先して行っている
メンバーの成功体験や失敗体験から学ぶ姿勢がある
メンバーの失敗を自分の失敗としてとらえ、一緒に責任をとってくれる
メンバーや利用者などに対して、常にポジティブな姿勢で接することができる
自分の過去の成功体験を押しつけるばかりで、柔軟な発想でアイデアが出せない
会議のなどの場で、すべて自分の手柄のように報告する
メンバーがほめられると、自分の指導がよかったからだとだけ考える
すぐに責任回避し、保身に走る
朝礼や打合せで、いつも売上や稼働率などの数字のことばかりを中心に話す
リーダーには、思いやりが必要
やる気を高める行動をとっていない人は、心のどこかで「スタッフはリーダーのために働くもの」と考えてはいませんか? もしそうであれば、自分が思い描く「リーダーのあり方」を根本的に変える必要がありそうです。近年、日本の企業にも広まっている「サーバントリーダーシップ」という概念を知って、自分を振り返るといいでしょう。
「リーダーである人は、まず相手に奉仕し、その後相手を導くものである」というリーダーシップ哲学に基づいており、支援(サーバント=奉仕)を通じて、周囲から信頼を得て、主体的に協力してもらえる状況をつくり出すリーダーシップのことです。