第3883冊目 福祉リーダーの強化書: どうすればぶれない上司・先輩になれるか 久田 則夫 (著)

 

 

 

 

ホウレンソウができる人

 

ホウレンソウの基本は、報告されたこと、連絡されたこと、相談されたことを正しく理解し、業務に活かしていくことである。自分自身が情報を伝える側である場合は、自らが報告したこと、連絡したこと、相談したことが、必要な人や部署のもとに届いているかを確認する。

 

ホウレンソウができる人を育てるには、この基本的部分を的確に教えていく必要がある。あわせて、ホウレンソウに関するルールの確認、徹底も組織全体で図っていかなければならない。ホウレンソウがうまくいかない職場には、平気でルールを守らない人がいるのに、放置されているという共通点がある。ルールを明示、再確認すると同時に、ルールはきちんと行動を起こして守るためにあるとう点を、リーダー職員が繰り返し強調していくことが必要である。

 

さらにもう一点、リーダー職員が部下・後輩に伝えるべき重要なポイントがある。ホウレンソウを機能させる職員になってもらうためには、受け身の姿勢との訣別が必要になる。職業人として働いていれば、どのような情報を共有する必要があるかわはかるようになる。その情報が手元にないときは自分で動いて取りに行くのが、本来、身につけるべき基本姿勢だ。

 

この姿勢が身についていなければ、どんなにホウレンソウのシステムを整備しても、情報共有はできない。情報は「来るのを待つ」のではなく、「取りに行く」。「聞いてなかった」「知らなかった」ではなく、自ら動いて、必要な情報(共有すべき事柄)を「聞いた」「知った」状況にしていく。こうした姿勢を身につけるよう、部下・後輩を指導することが今、リーダーに強く求められている。