第3487冊目  FBI捜査官が教える第一印象」の心理学 ジョー・ナヴァロ (著), トニ・シアラ・ポインター   (著), 西田 美緒子 (翻訳)

 

 

 

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

FBI捜査官が教える「第一印象」の心理学

 

 

 

マニュキュアを楽しむ女性なら、爪の長さはほどほどにするように。あくまでも爪であり、かぎ爪ではないのだ。長すぎる爪はビジネスの世界では受け入れられない。私個人の好き嫌いの問題ではなく、いくつもの消費者グループ調査で、男性と女性のどちらにも長い爪はとても不評なことが明らかになっている。

 

 

両手はいつも相手から見えるようにしておくこと。すでに述べたように、私たちは大脳辺縁系の働きによって、相手の手が何をしようとしているかを見定めている。治安に携わる者は、特にこの意識に磨きをかけてきた。私がFBIを退職して何年も経つ今になってもまだ、近づいてくる人の手をチェックしてしまう。警察官ならよく知っているように、自分のことを傷つけることができるのは、相手の手だけだ。

 

 

私は企業幹部に、手を役立てるようにと話している。状況によっては(たとえば思いやりを示すときなどは)手をあまり動かさずにおくが、たいていの場合は大いに活用するといい。手を使わない人や相手に見せない人は、よく使う人、相手に見せる人ほど、好感をもたれない。最も説得力のある講演会の講師は、手を使って聴衆の注意を引き、大切なポイントを強調し、忘れられない感情のこまったメッセージを伝えられるように訓練されている。

 

 

人は管理あるいは商品を販売しようとするなら、腕と手の使いかたを学んでほしい。腕と手は、伝えようとしているメッセージの象徴にも、考えをひとまとめにする額縁にも、話のリズムをとる指揮棒にも、思いやりを見せるクッションにも、強さの証拠にも、そして必要な場所では謙虚さを示す掲示板にもなる。

 

 

プライベートな場なら、いっしょにいる人の手の動かしかたをよく見て、同じ程度に動かせば、快適で信頼感にあふれた雰囲気を作ることができる

同調性には調和をもたらすことを忘れないように。また、体に触れるのが快適な状況にも注目しよう。仕事の場では、触れることが非常に効果的な状況が数多くある。大切なポイントを強調する、注意を引く、相手の話に割って入る、誰かが演壇に上がるのを助ける、祝うなど。適切で、コミュニケーションの効果を高めるならば、触れるべきだ。