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第3437冊目 90秒で好かれる技術 単行本(ソフトカバー) ニコラス・ブースマン (著), 中西 真雄美 (翻訳)
-見た目、声のトーン、言葉の一致が説得力を生む
あなたのボディ・ランゲージ、声のトーン、そして言葉がすべて同じメッセージを伝えているなら、あなたの態度は完璧だといえる。つまり自己一致の状態だ。その態度に、あなたが信用できる人間であることがあらわれているのだ。
知り合いに近づいて、「今日は最高の日だ」と言いながら、まるで「最低の日だ」と言わんばかりに頭を振ったらどうだろう。相手があなたの言葉を信じてくれないはずだ。同じ言葉を怒った声で言ってみよう。相手はあなたの言葉を信じるだろうか? もちろん信じない。声のトーンはあなたの本当の感情を伝えてしまうからだ。
1967年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のアルバート・メラビアン博士は「不一致コミュニケーションの解読」と題する論文を発表した。博士はこの論文のなかで、人と人が直接顔を合わせる対面コミュニケーションにおいて、聴き手は主に何に反応するかについて報告している。結果は、見た目に反応する割合が55%、聴覚からの情報が38%、実際に話された言葉が7%だった。
つまり、対面コミュニケーションにおいて、人はまず自分がみたもの(しぐさはボディ・ランゲージ)を信用し、次に声のトーン、そして最後に言葉を信用するということになる。
この3つのV――見た目、声のトーン、言葉――が同じメッセージを伝えていることを自己一致しているといい、もっとも説得力のある態度だ。
説得力のある人間になろうと思ったら、まずは信頼できる人だと相手に思ってもらうことだ。自己一致ができていなければ、言葉どおりのことを言っているように見えないために、相手に警戒心を抱かせてしまう。自己一致の術を身につけると、テリーにとって人間関係のトラブルは過去のものになってしまった。
あなたの言葉とボディ・ランゲージが同じメッセージを伝えていなければ、相手は混乱し、あなたへの興味を失ってしまうのだ。